薬草トリビア★クソニンジン(2)ノーベル賞とった!
『クソニンジン』という薬草。
現在では日本国内で野生化し、広域に自生するという。
けれども、『クソニンジン入りの○○〇』とか、薬品、薬用製品としても一般生活の中では聞いたことがなかったので、薬用としては、そんなに重宝されていないのかな?と思っていました。
ところが、2015年に『クソニンジンの研究成果』がノーベル賞を獲ったというニュース!
2015年 ノーベル生理学・医学賞・・・マラリア治療薬を研究・開発した功績
トゥ・ヨウヨウ氏
1930年生まれ
★中国人で初の生理学・医学賞の受賞者、アジア圏では同賞初の女性受賞者
★漢方、生薬、および東洋医学にかかわる分野において、初のノーベル賞!
★「三無科学者」と呼ばれる境遇での受賞。
大学院に進んでいない、海外での教育・研究経験が無い。中国のトップ機関である国立研究機関に属していない。国際的な研究者としては、恵まれた環境とは言えない中で長年研究を続けてきた功績であった。
【そんなに凄いの?】
以前はクロロキンやキニーネと言ったマラリアの治療薬剤が使用されていましたが、両方とも副作用が非常に強く、それらに耐性を持つマラリア原虫が増えてきたこともあり、マラリアが減りませんでした。
1960年代後半にマラリアの特効薬開発を命じられたトゥ氏は、中国の伝統的な薬に注目し、様々な薬草を試しました。
そんな中で、キク科ヨモギ属の青蒿(セイコウ:Artemisia annua)=クソニンジンを見つけるのです。
そして、1972年、青蒿からマラリアに効力のある「アーテミシニン(Artemisinin)」の抽出に成功しました。
抗マラリア薬への耐性があるマラリア原虫にも効力を発揮し、また副作用が低いアーテミシニンは、中国内では1980年代から使用され、効能が注目されていました。
ところが、政治的な背景から世界保健機構(WHO)に認可されたのが2000年、本格的に使用され始めたのが2006年と、世界中で多くの命を救い始めるまでに30年近くもかかってしまいました。
しかし、アーテミシニンがマラリア治療に加わったことで、
現在では死亡率が20%下がり(子どもでは30%)、
アフリカにおいては、毎年10万人もの命が救われているそうです。
(ノーベル財団のプレスリリースによる)
(3)はその発見につながる背景について、続く!
#クソニンジン #マラリア #トゥ・ヨウヨウ #ノーベル賞 #漢方
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